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京都南部の宇治は、紫式部の『源氏物語』の中でも特に有名な「宇治十帖」の舞台として知られています。この宇治には、平等院という歴史ある寺院があり、その文化的価値から世界文化遺産に登録されています。平等院は日本の十円硬貨のデザインにも採用されているため、訪れる際には実際の景色と硬貨のデザインを比較してみるのも楽しいでしょう。
平等院は1052年に創建されました。当時の権力者である藤原頼通が父藤原道長の別荘を改築して建立した寺院です。平安時代には、極楽浄土を信じる浄土教が広まり、貴族たちは宇治川沿いに別荘を建てました。
平等院の構造
平等院の中心的な建物である鳳凰堂は、中堂、北翼廊、南翼廊、尾廊の四部分から構成され、高さ13.5メートル(鳳凰像を含まない)あります。鳳凰堂は東向きに建てられており、朝日が正面に差し込むよう設計されています。堂の屋根には両側に一対の鳳凰像が置かれており、全体が翼を広げた鳳凰のような形をしています。
鳳凰堂内には52体の雲中供養菩薩が安置されており、それぞれが合掌したり琵琶や横笛を持つなど、多様な姿をしています。現在、これらの彫刻のうち26体が鳳翔館に展示されています。屋根の上の鳳凰像は複製品であり、原物は風化や盗難を防ぐために鳳翔館に保管されています。
平等院の庭園
平等院の庭園は、平安時代の浄土式借景庭園として設計されました。庭園内には、沙洲、直橋、拱橋などの景観が広がり、阿字池に映る殿閣の影が時折異なる美しい風景を見せてくれます。
国宝阿弥陀如来坐像
鳳凰堂の正殿に安置されている阿弥陀如来坐像は、名匠定朝の唯一の記録に残る作品です。この像は、多くの木片を組み合わせて作られた寄木造という手法で彫られており、像高284センチメートルにも及びます。この像と天蓋は、日本国宝に指定されています。
梵鐘
平等院の鐘楼にある梵鐘は複製品で、真品は鳳翔館に収蔵されています。この梵鐘は、日本の三名鐘の一つとされています。
鳳翔館
鳳翔館は平等院の宝物を展示する博物館で、鳳凰一対、梵鐘、雲中供養菩薩26体、十一面観音立像などが展示されています。館内は撮影禁止です。
観光地図
交通アクセス
- 京都駅から:JR奈良線で約17分、宇治駅で下車し、徒歩10分
- 奈良駅から:JR奈良線で約31分、宇治駅で下車し、徒歩10分
開館時間
- 平等院:8:30~17:30
- 鳳翔館:9:00~17:00
その他の詳細については、公式ウェブサイトをご覧ください:
平等院の伴手礼
手ぬぐい
手ぬぐいとは、長さ約90センチメートル、幅約35センチメートルの平織りの綿布です。洗った手を拭いたり、汗を拭ったりするのに使われます。また、首に巻いて防寒対策としたり、掃除時に埃を防ぐためにも利用されます。祭りの際には、装飾品として頭に巻くことも一般的です。美しいデザインの手ぬぐいは、額縁に入れて壁飾りとして楽しむこともできます。
観光情報をもとに、ぜひ京都宇治の平等院を訪れて、その歴史と美しさを体感してみてください。